2023年5月例会報告

日時:5月24日(水)18:30~21:00

会場:諫早商工会議所・Web

テーマ:求めたのは社員の笑顔と健康。これまでといまと、そしてその先へ~ありがとう経営指針~

報告者:長崎海産(株)代表取締役 三宅 ちはる会員

出席者数:48名(会員36名(うちWeb1名)、ゲスト2名(うちWeb1名)、他支部9名(うちWeb3名)、事務局1名)

 6 月22 日・23 日に福岡で開催される第26 回女性経営者全国交流会に諫早支部から長崎海産(株)の代表取締役である三宅 ちはるさんが分科会の報告者としてご登壇されます。そのシミュレーションも兼ねて諫早支部例会においてご報告いただきました。
 自身の性格を「引きこもり」と表現された三宅さんは、その意に反してお祖父様が創業された(株)三宅海産物店の3代目に就任することになります。2019 年には関連会社との合併を経て、いきなり社員36 名を抱える長崎海産(株)の代表取締役に就任されました。真剣に経営を学ばなければと危機感を感じ参加された勉強会の席で福岡同友会の樋口 康治さんと出会われます。これが三宅さんのターニングポイントでした。
 同友会のよさを聞いた三宅さんは迷うことなく長崎同友会に入会され、入会後すぐに県の経営労働委員会が取り組んでいた経営指針実践セミナー、支部の経営労働委員会が取り組んでいた経営理念の策定セミナーで謙虚に学ばれ、愚直に自社で実践されました。三宅さんの強い想いとその素直さにより、諮らずとも同友会活動と自社経営が「不離一体」になっていきました。その結果、会社は見事に好転していきます。三宅さんが一番気になっていたことは、社員さんが嬉々として働いていないことでした。経営理念策定のための聞き取りの際には、無意識に何度も何度も“ 社員さんの幸せと健康”というキーワードを仰ったそうです。
 経営指針を成文化し発表したことによって、社員さんと方向性の共有・共感ができるようになり、やめる作業と伸ばす部分を明確にできて、働き方も積極的に変えるなど、仕組みづくりに取り組まれました。その結果社員さんの笑顔が増えコミュニケーションが豊かになり、それは社員さんへのインタビュー動画の随所に説得力のある言葉と表情で表れていました。労使が相互に信頼し合っている組織の強さを見たように思います。
 また、ダイバーシティ経営にも取り組まれており、精神に障害のある方を3 名雇用されています。その1人の方が不安定になり指導員に手を上げてしまったことがあったそうで、その時三宅さんは社員さんのことを案じ不本意ながらその方には辞めて貰う選択をしようとしたそうですが、社員さんの方から「私たちがしっかり指導するから辞めさせないで」と言われたという話には感動を覚えました。
 新たに発足した新商品プロジェクトチームがつくり上げた商品は栄誉ある賞を受賞されるなど、経営理念、指針の策定が人づくりに繋がり、よい商品を生み出すという流れを見せていただいたように感じます。
 同友会の肝である人を生かす経営を実践されているリアルを聞くことができ、素晴らしい学びの機会となりました。
(文責 時 寛)